奈良市の世界遺産、唐招提寺は10月31日、来年4月から大人の拝観料を600円から1千円に値上げすると発表した。30人以上の団体は480円から800円に上げる。値上げは1993年以来。中高生400円(団体320円)、小学生200円(同160円)は据え置く。
寺によると、修理中の御影堂(みえいどう)に加え、今後も礼堂(らいどう)や鼓楼(ころう)など建物を修理する必要がある。文化財の維持にかかる材料費や人件費が上がったほか、防犯の強化や昨年の台風21号など災害の処理費も増えた。一方で拝観者数は伸びず、拝観料の値上げに踏み切った。
寺の執事の松浦俊昭さんは「文化財や伽藍(がらん)を守るための費用が高騰した。寺では倹約に努め、創意工夫してきたが、それも限界。値上げはやむを得ず、みなさまのご協力をお願いしたい」と話した。
奈良では2018年に東大寺が大仏殿、法華堂(三月堂)、戒壇堂の入堂料(拝観料)と東大寺ミュージアムの入館料をそれぞれ100円値上げし、大人(中学生以上)500円が600円に。法隆寺は15年、西院伽藍(がらん)、東院伽藍、大宝蔵院の計3カ所の拝観料を大人(中学生以上)1千円から1500円に上げた。(岡田匠)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル