羽場正浩
笛吹市商工会(山梨県)は18日、業務用パソコンが何者かに遠隔操作され、同会のネットバンキング口座から計1千万円が不正送金される被害に遭ったと発表した。約2千人の会員情報流出の有無も調査中という。
同会によると、2月27日午後5時半ごろ、職員が業務用パソコンを操作していたところ、ウイルス感染の警告が表示され、画面が消えなくなった。表示された番号に電話すると、マイクロソフト社の社員を名乗る男が出たので、指示に従ってウイルスを除去すると称するソフトを2台のパソコンにインストールした。また、同会の四つのネットバンキング取引のIDとパスワードを教えた。
気が動転した
ウイルス除去には時間がかかると言われ、職員は指示通り電源を切らずに帰宅したが、不審に思った別の職員の指摘で約30分後に戻って電源を切った。事態を知った同会は翌日にかけて口座取引停止の手続きを取ったり、警察に状況を報告したりしたが、同27日夜のうちに同一口座から3回に分けて計1千万円が不正送金されていたことが、その後判明した。
パソコンを操作した職員は「気が動転して、言われるまま操作してしまった。頭が真っ白になった」などと話しているという。不正送金先の口座名義は異なる個人名だったという。
こうした手口は「サポート詐欺」とも呼ばれ、県商工会連合会(県内23商工会が加盟)は再被害防止に向けて、今回の事例を各商工会で共有し、職員の研修などを進めるとしている。
県警笛吹署は商工会からの相談を受けて「内容を精査している」としている。(羽場正浩)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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