新型コロナウイルスの感染防止策として有効とされる飲食店の営業時間の短縮で、店内が逆に「密」になって感染リスクがあるのでは――。そんな調査結果を、飲食店の予約ができるポータルサイトを運営する企業が公表した。感染を防止するさらに良い方法として、店内の人数や滞在時間を制限すべきだと指摘している。
調査結果を公表したのは「テーブルチェック」(東京都中央区)。都内の飲食店約2千店の来店数や来店時間などをもとに、都が営業時間の短縮を要請した夏の「第2波」と、冬の「第3波」の飲食店の混雑状況を分析した。
同社は夏の時短要請期間中の8月3~31日の29日間、約2千店舗のディナー帯(午後6~10時)を訪れた総客数から1時間あたりの店内密度を計算。要請前の直近29日間はディナー帯を午後6~午前0時と定め、同様に1時間あたりの店内密度を割り出した。その結果、要請期間中の1時間あたりの店内密度は要請前よりも、1・49倍に増加していたことが分かったという。
また、再び時短要請が出された11月28日~12月13日の16日間でも約2千店舗の混雑状況を要請直前の16日間と店内の密度を比較したところ、時短要請後が要請前の1・4倍に増えていたという。
同社は飲食店での感染防止対策として、アクリル板や消毒液の設置などに加えて、店内の全座席数に対して使用する座席を25%、50%、75%にするなど上限の基準を設けることで、店内での密集を防ぐことができると指摘。完全予約制にしたり、客の滞在時間に上限を設けたりすることも有効だとして、「営業時間の短縮よりも感染防止には良いのではないか」としている。
同社は、年末年始は12月上旬と比べても飲食店を訪れる人が増えているため、年末にかけて更に密集する可能性があるとしている。(軽部理人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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