人口4800人の徳島県の山あいの町・神山町に4月、起業家を育てる私立高等専門学校「神山まるごと高専」が開校する。現役の起業家らを講師に、ものづくりの基本や起業の仕方を学ぶ前例のない高専だ。「過疎の町を未来のシリコンバレーに」。20歳以上も年の差がある2人がともに描いたそんな夢が、正夢になろうとしている。
「理想としてきた学校の姿を見せることができた」
3月13日にあった校舎と寮の竣工(しゅんこう)式。高専プロジェクトの発起人の一人で、神山町のNPO法人グリーンバレー理事の大南信也さん(69)は喜びを語った。
大南さんは「地方創生のロールモデル」とも言われる神山のまちづくりを牽引(けんいん)してきた。過疎・高齢化が進む町には今、IT関連など十数社がサテライトオフィスを構えるが、移住の促進や企業誘致を後押しした中心が大南さんだ。
なぜ、高専プロジェクトに関わることになったのか。キーワードは「シリコンバレー」だった。
実家が建設業の大南さんは2…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル