足立菜摘
松山市の地盤調査会社ハイスピードコーポレーションが、四国3県で戸建て住宅とアパートの地盤調査データを偽造していた問題で、同社は6日、新たに43件の偽造が判明したと発表した。偽造は計76件になり、いずれも同じ若手社員(今年5月に退職)が担当したとしている。今後、ほかの社員が調査した現場についても、社内調査を進める方針という。
新たに偽造がわかったのは愛媛県41件、高知県2件。同社によると、愛媛県は松山市や新居浜市など12市町、高知県では高知市といの町の物件だという。すでに完成した住宅で被害が生じているかや地盤の補強工事が必要かどうかは調査中だとしている。
同社によると、元社員は昨年4月の入社から退職までの間に計202件の調査を1人で担当した。
今年8月に元社員をめぐる33件のデータ偽造が報道された後、愛媛県は同社に詳細調査を要請した。同社が元社員が担当した調査の電子データなどを再確認したところ、開始時刻や地点が重複しているなどの矛盾が相次いでわかった。
最終的には33件と別に43件で、通常は建築予定地の5地点で実施する調査の一部を省き、架空のデータを報告書に記していたことが判明したという。全5地点の調査を省いた物件はないという。
同社の担当者は取材に、「いま、建物を施工する工務店側に偽造について説明している。偽造があった物件は基本的に自社で再調査するが、依頼があればほかの地盤調査会社に再調査してもらう」としている。
同社は3日に愛媛県にも報告した。県は76件について建築基準法に違反する行為がないか、設計者や施工者と同社の連名で報告するよう求めた。
同社は6日、ホームページに「新たに判明した不正物件対象のお客様に迅速に報告の上、誠実に対応してまいります。今後も調査を行い、全容解明に努める」とのコメントを出した。(足立菜摘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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