新型コロナウイルスが、季節性インフルエンザと同じ感染症法上の「5類」になって1週間余りがたった。コロナ禍で客足が遠のいた大阪府内の繁華街でも、景気回復への期待が高まる。5類移行から初めて迎えた週末、府内随一の繁華街・北新地を記者が歩いた。(岩本修弥)
「今日はありがとう。またきてねー」
13日土曜の午前0時ごろ、大阪市北区の「新地本通り」では、着物姿の女性従業員数人が男性客を見送っていた。近くのタクシー乗り場には、順番待ちの列。ネオンに吸い込まれるように、街を行き交う人々の姿があった。
「まだまだしばらくはあかんと思うよ。回復の兆しはあるけどね」。1969年創業の老舗「バー瀧」を営む長瀧敏郎さん(65)は、店の名物のジントニック「カンカン」をつくりながら言った。
約530店が加入する「北新地社交料飲協会」の理事長でもある。「コロナ前までのお客さんの数からゆうたら、少ない少ない。いずれは上向いてくると思うんやけれども……」
同協会によると、北新地には約3千の飲食店やクラブなどがあるが、コロナ禍で廃業した店も少なくない。特に高齢の経営者が多かったという。
訪日外国人や若者が集まる「ミナミ」に比べ、「キタ」の常連客は年齢層が高い。今も感染状況を気にする人が多いという。
北新地を一周すると、数人の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル