北欧やチリ産がほとんどだった「サーモン」の養殖が、青森や岩手で急拡大している。大手企業も進出し、生食向きだが飼育が難しかったニジマスの大量生産に成功。海峡サーモン、青い森紅サーモンなど小規模ながらブランド化した特産品も人気を集めている。天然サケの記録的不漁、塩ジャケから生食への食文化の変化が背景にあり、「需要は伸びる」と漁業者らは将来を託している。
12月上旬、津軽海峡からの冷たい風が吹き付ける津軽半島先端の漁港。まだ小ぶりのニジマスが、水が流れるスロープをつたい、トラックから湾内の巨大ないけすに次々と入っていく。陸地の中間養殖場で500~800グラムまで育て、11月から12月初旬にかけていけすに移す。3キロほどに育てて翌春水揚げする。
日本サーモンファーム(本社・青森県深浦町)が県内3カ所に海面養殖場を設けて手がける「青森サーモン」だ。今年は1100トンを水揚げした。
親会社のオカムラ食品工業(青森市)は海外からすしネタ用の養殖サーモンや魚卵を仕入れており、その一環で2005年にデンマークの養殖会社を買収。その後、自前で養殖にも取り組もうと、技術やノウハウを学び始めた。
サケ・マスの養殖は、1970年代に宮城県三陸沿岸でギンザケの養殖が広がり、国内生産量の9割を占める。ただ、肉質がしまっていて生食での人気が高いニジマスは飼育方法が確立されていなかった。
オカムラは2014年、日本…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル