困りごとの発見がビジネスになる 行正り香さんが学んだ仕事のあり方

 料理研究家の行正り香さん(56)は高校在学中から米国に交換留学して英語力を伸ばし、現地の短大を経て4年制のカリフォルニア大バークリー校に進みました。卒業して帰国後、広告会社でCMプロデューサーとして働きましたが、上司のこんな言葉がその後のキャリアに大きな影響をもたらしたといいます。

 「一番大きな問題を解決する人が、一番人気者になれるんだよ」

行正り香さんのプロフィール

 ゆきまさ・りか 1966年、福岡県生まれ。県立福岡高校、米カリフォルニア大学バークリー校卒。広告会社・電通でCMプロデューサーを務め、2007年に独立。子ども向け教育サイト「なるほど!エージェント」を設立した。オンラインで英語のスピーキング練習ができる「カラオケEnglish」が、17年度の「eラーニングアワード」を受賞。料理研究家としても活動し、著書は「だれか来る日のメニュー」など約40冊。国際放送「NHKワールド JAPAN」の「Dining with the Chef」にレギュラー出演している。

 困っている人を助ける。言うのはたやすいけれど、世の中の人が困っていることを見つけるのは簡単ではない。さらになぜ困っているのかを分析し、一番の困りごとを探りあてて解決策を見いだす。それをできるかが勝負の分かれ目だと、勤務していた広告会社の上司は言った。

 行正さんは米カリフォルニア大学バークリー校を卒業後、そのまま米国の大学院に進もうと思ったが、父は「そんなお金はない」。それなら学費を稼ごうと就職したのが広告会社だった。

 新入社員研修で「お前の話は面白いな」と言われ、企業CMなどの制作にあたる部署に配属された。周りは文才に秀で、斬新なコピーを次々に書く。「逆立ちしてもかなわない人たちばかり。足を引っぱらないだけで精いっぱいでした」。電車やバーでも上司から叱られ、「私にはできません」と異動を願い出たこともあった。

 20代半ばを過ぎたころ、海…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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