日本棋院は16日、都内で会見を行い、来年4月1日からデビューする海外籍特別採用棋士2人を発表した。マレーシアの曽富康(チャン・フーカン=16)と、インドネシアのフィトラ・ラフィフ・シドキ(17)で、会見に同席した。
先月終了した2020年度冬季棋士採用試験でともに9勝5敗とし、日本棋院の棋士採用規定である勝率5割をクリアした。この枠での採用は、2016年のアンティ・トルマネン初段(30)以来、3年ぶりとなる。
曽は今年1月に来日し、芝野虎丸名人(20)も通っている洪清泉四段の都内の道場に住み込んで1日10時間、勉強した。「幼稚園から囲碁は習いました。子供の時からの夢がかなった。世界一になりたい」と力強く言い切った。
フィトラは小2から開始。「正採用の棋士より実力が劣ると思われないよう、活躍したい」と張り切っていた。イスラム教徒で、院生の試験の時などは階段の踊り場などで日課のお祈りをしていたという。日本棋院では、対局時に場所を提供するなど対策を講じるという。
同院理事の大淵盛人九段(54)は、「2人ともプロとして十分戦えるレベル。将来タイトル争いができるよう、頑張ってほしい」と期待していた。
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