図書館がベストセラーを過剰に購入しないように、ルール作りを――。国がそんな検討の場を今秋にも設ける。急減している書店の支援策として、自民党の議員連盟が出した提言を受けたものだ。
文部科学省で開かれる会議には、書店や出版の関係者、図書館関係者らが参加。公立図書館で同じタイトルの本を過剰に持つことの禁止や、地元書店からの優先仕入れの推奨、新刊本の発売から購入までに一定の期間を空けることなどについて、ルール作りが必要かどうか議論する。
政府関係者は「人気本の所蔵数などの制限ありきではなく、ゼロベースで話し合ってもらう。書店と図書館が敵対するのではなく、共存関係で読書推進につなげる議論をしたい」と話す。
図書館が同じ本を複数備える「複本」については、以前から作家や出版社が「無料貸本屋化している」と指摘していた。2003年には、日本図書館協会と日本書籍出版協会が実態調査。その後も、15年には新潮社社長がベストセラーの複数購入を批判し、17年には文芸春秋社長が文庫の貸し出し中止を訴えた。
今回は、自民党の議員連盟「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」(会長=塩谷立・元文科相)が書店支援策を議論した際、「(図書館の)蔵書が人気のある本に偏り、多様な世界に接する機会の減少につながっている」と指摘された。
本屋大賞の本55冊は多い? 図書館「わからない」
図書館で買う本は、どう選んでいるのか。
文部科学省は公立図書館の設…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル