国、不開示文書の詳細は明かさず 旧統一教会の名称変更めぐる訴訟

松浦祥子

 旧統一教会が2015年に「世界平和統一家庭連合」に名称変更した経緯を記した文書などについて、一部しか開示されなかったのは不当だとして、神戸学院大の上脇博之教授が国に開示を求めた訴訟の口頭弁論が19日、大阪地裁であった。

 国側は不開示とした文書について説明。該当するのは、旧統一教会が名称変更を決めた理由や動機▽旧統一教会の「責任役員会」の議事録▽旧統一教会側が国に提出した「名称変更を認めないのは違法だ」と主張する文書――などとしたが、詳しい内容は明らかにしなかった。

 不開示文書をめぐっては、横田典子裁判長が5月の前回弁論で「文書の情報を可能な限り詳しく説明」するよう求めており、国側がそれに応じた形だ。ただ、国側はこれらの文書について、「公にすることが予定されておらず、開示すると宗教法人の権利や地位を害する恐れがある」と主張。文書は文化庁が名称変更を認めるかどうかを検討する資料として使われたことから、上脇氏側の請求を退けるよう求めた。

 また国側は、文化庁が名称変更の認証にあたって下村博文・文部科学相(当時)に報告したことに触れ、「文科相の決裁は不要だが、旧統一教会が社会的関心を集めていたことに鑑みて報告した。文科相に何らかの判断を仰いだものではない」とした。(松浦祥子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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