聞き手・上野創
「授業料の減額や免除」と「返済不要の奨学金」の2本柱で、所得が少ない世帯向けに2020年度から始まった国の修学支援制度=KM。その効果や課題について、奨学金など学生を支援する制度に詳しい小林雅之・桜美林大大学院教授(教育社会学)に聞いた。
――新制度の効果をどう見ますか。
萩生田光一文部科学相が4月、住民税非課税世帯の高卒者の進学率(2020年度)が制度導入前と比べて7~11ポイント上がったとの推計値を発表しました。
私たちが、20年3月に高校を卒業した人の保護者3124人から回答を得たウェブ調査でも、年収275万円以下の世帯の進学率は16年の52・1%から20年は61・5%と約9ポイント上がっており、一定の効果があったと思います。
ただ、子が就職した非課税世帯の半数は「経済的に進学が困難だった」との問いに「あてはまる」「とてもあてはまる」と回答しました。新制度が導入されても、進学を巡る経済的格差が解消されたわけではないと言えるでしょう。
――まだ課題はあると。
せっかくの制度が知られていない可能性があります。ウェブ調査の結果によると、この制度の対象となる年収380万円未満の世帯で、制度を「聞いたことがない」という回答が2割を超えています。
残された課題は
――高校で教えてもらう機会…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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