岸田政権が掲げるエッセンシャルワーカーの処遇改善策として、保育士らの収入を3%程度(月9千円)上乗せする国の補助事業が始まった。しかし、実際の上乗せ額は1人あたり月9千円に満たない人が大半という。専門家は「国の制度設計に問題がある」と指摘する。保育士たちに賃上げの実感は届くのか。
全職員に月9千円は「今後の経営を考えると難しい」
「『9千円』が独り歩きしているようで……。職員には説明しているのですが、申し訳ないです」
東京都内の私立保育園の園長はため息をつく。
国は、3歳児では原則子ども20人に保育士1人など、職員配置に最低限の基準を設けている。それではきめ細かな保育は難しいため、この園では基準の1・5倍の保育士らが働く。このほか、朝夕に短時間勤務する職員も複数いる。
しかし、今回の補助で国から…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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