山本孝興
熊本・球磨川水系の治水方針を決めた専門家委員会に示した国土交通省の資料に、河川流量や動植物の生態に関わる基礎データなど数十カ所の誤りが見つかった。これを受けて2日に開いた再審議の委員会で、同省は「事務局案を作る際、検討途上の資料などをもとに作っていた。再発防止を徹底したい」と陳謝した。委員会は整備方針に影響はないとして再度承認した。
国交省によると、誤りが見つかったのは、今年7~11月の5回の委員会などで示された資料のうちの計17ページ。同県八代市内の最大流量を示す資料では、計算過程の数値を別の数値と混同して低く記載していた。
動植物の生育環境の変化などを示す資料で、鳥の「ミヤコドリ」と同じ名前が付く貝「ミヤコドリガイ」を取り違えて計上していた。いずれも外部からの指摘で判明した。
会合には河川や生物の専門家のほか、蒲島郁夫・熊本県知事も臨時委員として参加し、これらの資料を基に議論。国交省が提示した基本方針案は11月に承認されていた。委員会の小池俊雄委員長(土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)は、「基本中の基本であるデータのチェックが私自身不十分で、深くおわびする」と述べた。(山本孝興)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル