京都府宇治市の「宇治川の鵜飼(うかい)」のウミウのうち、5年前に国内初の人工孵化(ふか)で生まれたウミウがこの春初めて産卵し、うち1個が8日、人工孵化した。前例のない「人工孵化ウミウの2世」の誕生だ。
宇治川の鵜飼では、2014年以降、昨年をのぞいて毎年ウミウが産卵。人工孵化したウミウは計9羽となり、「ウッティー」の愛称で親しまれている。このうち、14年に生まれたウミウが自然界で捕獲された元野生のオスとペアになって5月8日以降、4個を産卵し、2個目の卵が孵化した。
孵化した卵は今月7日夕方、ひなが内側から卵に穴を開けようとする「はしうち」が始まった。8日午前10時すぎから穴が大きくなり、鵜匠(うしょう)らが「がんばれ」と声をかける中、11時45分、殻を割ってひなが姿を現した。ひなは体重32グラム。
鵜匠の沢木万理子さんは「人工孵化で生まれたウッティーがまた卵を産んで、それが無事に生まれて何より。ちょっと体が小さいので、慎重に育てていきたい」と話した。(小山琢)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル