国内持ち込み禁止「トラウトコッド」を密輸入容疑 愛知の業者摘発

大山稜

 生態系に影響を及ぼす恐れのある淡水魚を密輸入したとして、警視庁は28日、観賞魚の卸売会社「エル商会」(愛知県弥富市)の役員の男(38)と元社員の男(36)、法人としての同社を、特定外来生物法違反(輸入の制限)と関税法違反(虚偽申告)の疑いで書類送検した。元社員は容疑を認め、「売り上げが伸びず、希少種であれば高く売れると考えた」と話したという。

 生活環境課によると、男らは同社の関東営業所に勤務していた3月中旬、豪州原産でスズキ目の肉食性淡水魚「トラウトコッド」120匹を中国から不法に輸入した疑いがある。

 トラウトコッドは特定外来生物法で生態系に影響を及ぼす恐れがある「未判定外来生物」に指定され、輸入には環境大臣と農林水産大臣の許可が必要だったが、届け出をしていなかったと同課はみている。税関には外見が似た別の魚と偽って申告していたという。

 トラウトコッドは豪州絶滅危惧種に指定される希少種で、男らは幼魚を1匹1700円で仕入れていた。これまでに70匹を1匹約1万円で国内の複数の小売店に卸していたという。18匹が回収できておらず、同課は愛好家などに広く流通した可能性もあるとみて調べている。

 同社のネット広告を見た愛好家から警視庁に通報があり、同課が捜査していた。未判定外来生物が生きた状態で見つかったのは、全国で初めてだという。(大山稜)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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