朝鮮半島からの渡来人の集落があった大津市の南滋賀遺跡で、古墳時代後期(6世紀後半~7世紀前半)のコマ(独楽)が見つかった。市教育委員会が28日発表した。国内最古とみられ、遊び用ではなく祭祀(さいし)に使われたらしい。コマが大陸から伝わった可能性があり、古代の祭祀を考える上でも貴重な発見という。
木製で直径4・4センチ、高さ6センチ。砲弾のような形で先端に心棒(直径5ミリ、長さ3ミリ)があり、小刀で削って加工したようだ。「たたきゴマ」と呼ばれ、ムチでたたいて回転させたらしい。これまでの最古の出土例は飛鳥・藤原地域(奈良県明日香村・橿原市)の7世紀後半だった。
市教委が2~4月、集合住宅の建設に伴い450平方メートルを発掘調査し、溝の中から祭祀具の斎串(いぐし)や桃の種などと一緒に出土した。同じ溝から見つかった土器の年代から、コマの年代も特定した。桃の種は、邪馬台国の有力候補地・纒向(まきむく)遺跡(奈良県桜井市)でも見つかり、祭祀に使われた可能性が指摘されている。
記事後半では、古代の都で行われた祭祀の起源についての識者の見方なども紹介しています。
遺跡は、天智(てんじ)天皇の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル