皇室から国に寄贈された美術品や工芸品など約6100件、2万点を収蔵する「皇居三の丸尚蔵館」(東京都千代田区)が、管理運営を宮内庁から文化庁所管の独立行政法人に移し、今月、一部が新装開館した。収蔵品には、国宝や重要文化財に指定される可能性があるものも多く眠っているとみられ、文化庁は積極的な公開や活用を狙う。
「新たな皇居三の丸尚蔵館としてリスタートした。今までと違う尚蔵館を見ていただきたい」。今月2日にあった内覧会で、島谷弘幸館長(前九州国立博物館館長)はこう呼びかけた。
来年6月までの開館記念展では、歴史教科書でもおなじみの元寇(げんこう)を伝える絵巻「蒙古襲来(もうこしゅうらい)絵詞(えことば)」や伊藤若冲(じゃくちゅう)の「動植綵絵(さいえ)」をはじめ収蔵する国宝8件のうち6件などを4期に分けて展示。天皇や皇后が着用した装束など、皇室ゆかりの品を紹介する記念展示も12月まで開催する。
尚蔵館は宮内庁の施設として1993年に開館した。宮家からの寄贈や遺贈によって収蔵品が年々増え、床や棚の上にも置くなど、収蔵スペースが不足。来館者の過密状態も問題視された。2018年、宮内庁の有識者会議が、スペースの確保や情報発信の強化などを提言。19年から新装工事が始まり、21年から一時休館していた。
今年10月、管理運営が文化…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル