国家公務員として各府省に勤務する職員の5.5%が「数年以内に辞めたい」と考えていることが明らかとなりました。賃金が下がり続ける民間とは対照的に、公務員は毎年のように昇給が続いており、今や高給取りの代名詞となっています。しかし職場環境には大いに改善の余地がありそうです。
「もっと自己成長できる仕事に」「仕事と家庭の両立が難しい」
政府が国家公務員に対して行った調査によると、職員の59.3%が定年まで継続して勤務したいと回答しました。一方、15.4%の職員が定年より前に辞めたいと回答しており、数年以内に辞めたいと考えている人も5.5%にのぼることが明らかとなりました。辞めたいと考えている理由としては「もっと自己成長できる魅力的な仕事に就きたい」「長時間労働で仕事と家庭の両立が難しい」などが高い比率となっています。 もっとも、数年以内に辞めたいと回答しているのは30歳未満が圧倒的に多く、その点では一般的な民間企業と大きく変わるものではないでしょう。20代の社員の多くは「会社を辞めたい」と口にしますが、実行に移す人は少数派で、40歳になる頃には立派な会社人間になっていることも珍しくありません。この調査でも数年以内に辞めたいと考える40代は男性が2.6%、女性が3.9%、50代は男性が3.3%、女性が3.9%と極めて少数でした。
働き方改革が必要
しかしながら、今や好待遇で知られる公務員の中にもすぐに辞めたいと考える職員が多いというのは少々、驚きの結果といってよいでしょう。ひとくちに国家公務員といっても、職場によって環境は大きく異なります。いわゆる本省の勤務になると国会対策などから深夜残業も多く、一部では過重労働が指摘されています。一方、各地方には財務局、地方整備局、労働局といった出先機関があり、ここにも多数の国家公務員が勤務していますが、たいていの出先機関はのんびりとした雰囲気であり、一部を除いて長時間残業を繰り返すといった光景は見られません。 国家公務員は定期的な異動があり、これで忙しい職場とそうでない職場のバランスを取るというのが従来のやり方でしたが、近年は必ずしもこうした措置が効果を発揮しなくなっています。基本的に公務員は税金から給料が支払われ、雇用が完全に保障される制度になっている以上、場合によっては民間よりも労働条件が厳しくなる面があるのは致し方ありません。しかし物事には限度がありますから、職場環境の改善を放置するとよい人材が集まらなくなるのは明白です。残業が多いといわれる本省については、働き方改革をより進めていく必要があるでしょう。 (The Capital Tribune Japan)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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