「やばい! いつか捕まる、ほんとに!」
昨年11月、千葉地裁の裁判員裁判の法廷に、猛スピードで走る車内の映像と音声が流された。大音量の音楽に合わせるようにスピードは上がり、速度計の針は「142」の目盛りに達していた。
被告は、運転をしていた少女(19)。このドライブから2カ月後、千葉県富津市の国道で深夜、時速50キロの制限速度を上回る時速94キロで車を走行させ、ガードレールに衝突。同乗していた10代の男女3人を死亡させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)の罪で起訴された。
事故後、現場付近には「速度落せ」の路面標示や複数の矢印標示、カーブを曲がった先の道路の制限速度が時速30キロだと周知する標識などが新設された。だが、失われた命は戻らない。
運転免許証を取ってから、3カ月もたっていなかった。交通違反を重ね、親の車を2台、廃車にしてもなお、ハンドルを握り続けた。
いったい何が、被告を無謀運転に駆り立てたのか――。検察側と弁護側の冒頭陳述、被告人質問のやり取りなどからたどる。
SNSでメッセージ「遊べるなら車を出す」
事件当時、被告は私立高校の3年生だった。勉強についていけず、部活動にも所属していなかった。徐々に学校を休みがちになっていった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル