園児が飛ばした風船、100キロ先の社長のもとに 6年越しに初対面

池田拓哉

 山梨県上野原市の上野原こども園の子どもたちが6年前に飛ばした風船。これを拾った縁で交流を続けてきた千葉県佐倉市の運送会社長、酒井新さん(40)が18日、同園を初めて訪れた。酒井さんはスイカを贈り、子どもたちは歌でおもてなし。酒井さんは「感無量です」と目を細めた。

 同園の子どもたちは2017年6月、ヒマワリの種10粒が入った袋を風船につけて、一斉に空に放った。おもいやりの心を育てようと、法務省などが取り組む「人権の花」運動の一環だった。その袋の一つが東に約100キロ離れた酒井さんの元に届いた。お礼に千葉県特産のスイカを贈り、子どもたちからは「ありがとう」のメッセージが送られた。

 酒井さんはそれ以来、クリスマスにはお菓子、春の入園・卒園シーズンには花を贈り続けている。そのたびに、園児たちからはお礼の手紙や絵が届く。2年前からは、上野原市内にある巌(いわお)こども園にも同様に贈っている。

 コロナ禍や仕事の都合もあって、酒井さんは市やこども園の招きに応じられずにいたが、ようやく両園を訪問する機会を作れた。

 夏恒例のスイカのプレゼントに喜ぶ子どもたちを間近で見た。給食も一緒に食べた。「感無量です。風船から始まった出会いをこれからも大切にしたい」。村上信行市長はこの日、酒井さんに感謝状を贈った。(池田拓哉)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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