山崎琢也 床並浩一 菅尾保
静岡県裾野市のさくら保育園で元保育士3人が園児に虐待を重ねたとされる問題で、県と市は9日、運営法人に児童福祉法などに基づく改善勧告を出した。市側が公表した16項目の問題行為のうち9項目と新たに判明した1項目の計10項目を虐待や不適切な保育と確認。3人以外にも園児の容姿を揶揄(やゆ)する職員がいたという。
原因の検証や再発防止、信頼回復の取り組みを求める改善勧告を受けたのは、社会福祉法人桜愛(おうあい)会(酒井和夫理事長)。県と共同で監査してきた市もこの日、子ども・子育て支援法に基づく改善勧告を出した。
県と市は昨年12月から今月まで特別指導監査を実施。問題行為を裏付けるため、暴行容疑で逮捕後、処分保留で釈放された3人を含め、問題が発覚した昨年8月以前に在職していた前園長以下職員51人を聞き取り調査した。園児を通わせる137世帯を対象にしたアンケートに答えた保護者8人も対象にした。
10項目の虐待などを確認
聴取の結果、通報内容に基づき市が公表していた16項目の行為のうち、「児童の頭をバインダーでたたく」「足をつかんで宙づりにする」といった県条例や規則に抵触する3項目を「身体的虐待があった」として事実認定し、「トイレに閉じ込める」「容姿を揶揄するような蔑称を使う」など「心理的虐待」として4項目を確認した。
そのほか、「不適切な保育」として「必要もなくズボンを下ろす」など2項目に加え、「一人ひとりの食事ペースを考慮せず、時間内に完食させようと保育が乱暴になる」という不適切事例が新たに確認された。
「昼寝中の園児に『ご臨終』と何度も発言した」「カッターを見せて脅した」とした公表事例は確認できなかったという。
県への改善報告書の提出期限は3月9日
県は改善報告書の提出期限を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル