板張りの外壁をしつらえた新築の平屋20戸が並ぶ。北海道胆振東部地震で自宅を失った人たちが住む厚真町の災害公営住宅の団地で8月下旬、手作りのポテトサラダを配る女性がいた。住人の林崎(りんざき)陽子さん(46)だ。
呼び鈴を鳴らさず入り口の網戸を開けて中に入れるほど親しい間柄のご近所さんもいる。笑顔で「ありがとう」と返されるとうれしい。こんなふうに前向きになれたのは、今年に入ってからだ。
3年前の9月6日午前3時7分、厚真町を震度7の揺れが襲った。自宅1階で寝ていた陽子さんは揺れと轟音(ごうおん)で跳び起きた。「ゴゴゴゴゴ」。裏山から音がした。暗闇の中、窓の外をのぞくと土砂が家に押し寄せていた。両親と兄の4人暮らし。1階の両親の部屋へ行くと、身長を超える土砂が流れ込んでいた。
2階にいて無事だった兄らと…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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