土砂崩れで不明の夫婦「到達まで30日」 祈る家族たち

 台風19号による土砂崩れで行方不明となっている相模原市緑区牧野(まぎの)の佐々木睦(むつお)さん(67)と妻の定子さん(63)の捜索に関して、市消防局は3日、夫婦がいるとみられる地点に到達するまで30日ほどかかるとの見通しを示した。夫婦の車が発見されたが、手がかりは見つからないまま。家族が見守るなか、捜索はこの日も続いた。

 佐々木さん宅は約100メートル押し流されたとみられる。市消防局は、現場近くの沢の下流の相模湖などにも範囲を広げて捜索しているものの見つからず、夫婦は崩落現場直下にいるとみている。1日から重機2台を投入して活動を進めているが、崩落現場までは大量の土砂や倒木に阻まれ、容易に近づけない。重機で土囊(どのう)を積んで道を作りながら、手作業での捜索が続く。3日は消防、警察、自衛隊が48人態勢で活動を行った。

 この日は崩落現場の約150メートル手前の地点が報道陣に公開された。山間部の小高い山の一角は斜面がむき出しに。沢は茶色い土砂で埋まり、木々がなぎ倒され、数十メートル先では重機が忙しく動き回っていた。

 夫婦の軽乗用車は2日午後、崩れた斜面の下を流れる沢の約200メートル下流で見つかった。車体は原形をとどめておらず、車内に2人の姿はなかった。

 千葉県から駆けつけた長男の一彰さん(41)は「発生から3週間が過ぎた。消防、警察、自衛隊の皆さんには感謝しています。一日も早く見つかることを祈るばかりです」。八王子市に住む長女の中村由香さん(37)は「土砂の量が多すぎて、難航していることがよくわかった。2人とも土の中で感謝していると思う。これからも捜索活動をお願いします」と言葉を絞り出した。

 土砂の中に1枚の写真があった…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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