在宅でも…異例の視聴率、報道だけ「なじみの顔に安心」

 コロナ禍で「ステイホーム」の意識が高まったなか、テレビの視聴率も上がっていた。どんな番組が見られていたのか。

 「連続テレビ小説 エール」「NHKニュース7」「笑ってコラえて!SP」「世界の果てまでイッテQ!」「報道ステーション」――。4月27日からの週、関東地区の視聴率の上位5位には、常連のドラマやバラエティーに交じり報道番組が食い込んだ。関西では、報道ステーションが20・5%(4月27日)でエール(5月1日)を超えていた。

 国内で初の陽性患者が確認されたのは1月15日。その後から報道番組の視聴率は上がりはじめ、2月に入って加速した。24日からの週は、NHKニュース7(2月29日)が21・3%でトップに。報道ステーション(2月27日)も20・0%で、ついに人気のドラマやバラエティーを抑えた。政府が、イベントの自粛や臨時休校の要請を出したころと時期は重なる。

 普段でも、NHKニュース7は15%前後の高い視聴率を取る。そこへさらに5~6ポイントほど上乗せする日々が続き、ニュースへの関心の高さがうかがえた。

 各地で外出自粛要請が出た3月下旬以降、志村けんさんの亡くなったニュースが駆け巡ったころから、各局の報道番組は20%台をたたき出すようになった。

 7都府県に緊急事態宣言が出た4月7日のNHKニュース7は、26・8%を記録。報道番組でこれだけの数字が出るのは、災害時など、あっても年に数回のこと。昨年は、大雨被害をもたらした10月の台風19号の発生時が33・3%だった。

 ゴールデンウィークも異例だった。例年は外出する人が多く、視聴率は低迷しがち。だが今年は堅持した。今月2日のNHKニュース7は20・3%、5日が19・4%。天皇の退位・即位関連の儀式があった昨年4月30日の16・5%を上回った。

 一方で、ドラマの様相は違う。大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」は14・9%(4月26日)で、今年1月の放送開始後からの平均15%台と変化はない。巣ごもり生活だからといって、数字が大きく上がるような作品もなかった。

 背景には、感染への不安を抱えるなか、テレビからリアルタイムで生活関連情報などを得ようとする視聴者の心理があるとされる。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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