世界経済フォーラム(WEF)が13日に公表したジェンダーギャップ報告書では、昨年に続き、コロナ禍が男女格差を広げていると指摘された。雇用の「調整弁」にされやすい非正規労働者の女性割合が高く、もともと家事や育児の負担が女性に偏りがちだった日本も、例外ではない。「第7波」への危機感も高まるなか、コロナ禍の直撃を受けた女性たちは苦しい状況からなかなか抜け出せずにいる。
コロナ禍が広げたジェンダーギャップ
2022年版の男女共同参画白書によると、景気の影響を受けやすい非正規労働者の数(21年)は、女性が1413万人で、男性の652万人を大きく上回る。 コロナで1回目の緊急事態宣言が出された20年4月は、男女ともに就業者数が大幅に減ったが、減少数(正規、非正規の合計)は男性の32万人に対し、女性は倍の63万人だった。
埼玉県に住む50代女性はいま、老人福祉施設で契約社員として働く。シングルマザーとして、短大生から小学生の子ども4人を育てている。元夫からの養育費の支払いは途絶えがちだ。勤務先の施設はコロナで利用者が減っており、収入の伸びは期待できない。
子どもがもしコロナに感染したら、仕事をどれだけ休み、収入がいくら減るのか――。不安と背中合わせの日々は、もう3年目に入った。
コロナで最初に職を失ったのは、2年前のことだ。
「コロナで業績が下がっているので、派遣はとれない」。2020年6月。女性は所属先の派遣会社から、勤務先との派遣の契約更新ができなくなったと告げられた。同年2月に採用されたばかりで、もっと長期で働けるはずだった。
一刻も早く安定した仕事に就きたかったが、職探しは難航した。
記事後半では、在宅ワークなのに家事・育児をほとんどしない夫に不満を抱く女性が登場します。コロナ下で女性が家事に費やす時間がどれだけ増えたかも、合わせて紹介します。
一斉休校の時、家にいる子ど…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル