コロナ法律相談 回答:神田友輔弁護士
新型コロナウイルスの影響で、経済的に困窮したり、家族との関係がぎくしゃくしたりといった、家庭内の問題も起きています。どう対応したら良いか。取材で見聞きしたケースなどをもとに、専門家に尋ねました。(聞き手・新屋絵理)
Q 在宅勤務の夫の機嫌が悪く、遊んでいる子どもに「うるさい」と手をあげました。公的窓口に相談して大ごとにするのは嫌ですが、これで2回目。どうしたらいいでしょうか?
A 4月1日から施行された改正児童虐待防止法では、親権者は子どものしつけで体罰を加えてはならないとされました。「うるさい」という程度の理由で手をあげることは、児童虐待にあたります。
今の在宅勤務や外出自粛の状況では、家庭がどんどん「孤立化」します。こういうときこそ、自治体の子育て支援担当や児童相談所など外部の人に相談することが必要です。
大ごとにしたくないという気持ちは分かります。ただ、よほどのことがなければ相談したからといって、すぐに児相が子どもを一時保護して預かるわけではありません。児相が見守りを続けたり、必要な支援の窓口につないだりすることになると思いますので、安心して相談してください。
視点を変えて、なぜ夫が在宅勤務で機嫌が悪いのかを考えることも有効です。厚生労働省は、在宅勤務について、長時間労働になるのを防ぐために休日や深夜のメール送信を自粛するなどのガイドラインを示しています。守られていない場合、会社に改善を求めることも解決策の一つです。
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かんだ・ゆうすけ 2008年弁護士登録。第一東京弁護士会災害対策本部(新型コロナウイルス)の本部長代行として、電話相談の体制づくりなどに取り組む。
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・日本弁護士連合会無料法律相談 0570・073・567(平日正午~午後2時)か
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・児童相談所全国共通ダイヤル 189
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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