茶井祐輝
滋賀県近江八幡市で7月に地下道が大雨で冠水し、市内の岩田鈴美さん(72)が水死する事故があり、遺族が8日、安全管理が不十分だったとして、県と市に約4千万円の損害賠償を求め、大津地裁に提訴した。遺族は「亡くなった理由を知りたい」と訴えている。
市などによると、岩田さんは7月19日午前11時半ごろ、JR琵琶湖線の下を通る地下道を通って自宅へ帰ろうとしていたとみられている。市内では正午までの1時間に約90ミリの猛烈な雨が降ったとして記録的短時間大雨情報が発表され、この地下道は最大で約3メートルの高さまで冠水していたという。地下道で岩田さんの遺体が見つかったのは、午後3時過ぎのことだった。
遺族の代理人弁護士によると、地下道は県道部分の通路と、通路につながる市道部分からなり、過去にたびたび冠水していた。訴訟では、冠水によって死傷事故が起こることを予想できたのに、進入を防ぐ措置を講じなかった▽想定に見合わない排水ポンプを使っていた――などと訴え、賠償責任を問うという。
提訴を受け、県は「現段階では詳細が分からないので答えられない」、市は「訴状を見ていないのでコメントできない」とした。(茶井祐輝)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment