地方議会から国会などに提出される「意見書」を積極的に活用しようと、参院自民党が独自の取り組みを始める。意見書の在り方を見直すためのプロジェクトチーム(PT)を近く立ち上げ、意見書の扱いなどの実態調査に乗り出す。これまで提出数に比べ、政策などに反映される機会が少なかった意見書の役割を再認識し、新型コロナウイルス対策など地方の声を国政に反映させる考えだ。 PT設置は7月21日、世耕弘成参院幹事長が表明した。この日、末松信介参院国対委員長が世耕氏に要望書を提出。元兵庫県議で、参院自民の「地方議会の意見書を政策に活かす有志の会」代表世話人の末松氏は世耕氏にこう訴えた。 「意見書を提出する側と受け取る側を経験したが、地方議会の意見書を国会などはあまりにも軽視、粗末にしすぎている」 地方自治法99条に地方議会が国会などに提出できると定められている意見書は、地域の課題解決に向け、全国の地方議会から毎年数多く提出されている。有志の会によると、昨年は4千件を超える意見書を参院が受理。今年は5月下旬までに1千件以上が寄せられ、新型コロナへの対策強化や助成制度に関する内容が最も多かった。 利害の絡む各会派の意見を取りまとめ、地方議会の「汗の結晶」(末松氏)ともいえる意見書だが、実際に国の政策立案などに活用されているのかは不透明だ。全国都道府県議会議長会も7月の決議で、意見書の積極的な活用や結果の公表を求めた。 世耕氏は「地方議員が住民の民意を反映し、まとめた意見書に参院としても真摯(しんし)に向き合う必要がある」として党都道府県連へのヒアリングから始め、参院の他会派にも取り組みを広げたい考えだ。(今仲信博)
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