修行僧12人の教育係を担当する外国人僧侶
静岡県袋井市の寺に地球の裏側から訪れ、日々修行に励んでいる僧侶がいる。
一体、どんな思いをもって取り組んでいるのか。
お寺の1日の始まりは、まだ外が真っ暗な早朝5時。起床した僧侶たちが最初に向かうのは、坐禅堂。約1時間、雑念を無くし心を落ち着かせる。
その中に一人、外国人の僧侶がいる。ウリセス・熊醒(ゆうせい)さんだ。
ブラジル国籍の38歳、3年前から可睡斎で修行をしている。
ウリセス・熊醒さん:
みんなと一緒に気持ちいい。心が静かな気持ち
600年の歴史を持つ東海道一の禅の修行道場「可睡斎」。約25人の僧侶が日々修行にはげむ。熊醒さんは現在、准役寮という修行僧12人の教育係を担当している。
熊醒さんは元々はブラジルの名門・サンパウロ大学で歴史を教えていた。音楽も大好きで、ギターが得意な若者だった。しかし、大学で働き始めると、大きな組織の中で翻弄されストレスに悩まされるようになる。
ウリセス・熊醒さん:
(大学で)自分のやりたいことができませんでした。まだ私は若かった。30歳くらいで未熟だったと思います。
精神の安定を求めて座禅に通う中、自分の中でも変化を感じ、仏教を学び始めた熊醒さん。
33歳でサンパウロのにある可睡斎ゆかりの寺、「南米別院佛心寺」の修行僧となった。
ウリセス・熊醒さん:
坐禅で自分の心を見て、自分だけでなく世界を見て、私の生き方が変わって、気持ちも変わり、ストレスも無くなりました
熊醒さんは3年前、師匠の勧めでさらに修業を積もうと可睡斎の修行僧に。当時は日本語も話せず苦労もあった。
ウリセス・熊醒さん:
日本語ゼロからここに来ました。耳から言葉を何回も繰り返して、頭に入ってきました
今では仏教用語を間違いなく読めるようになったが、求道心を絶やさない。
先輩の僧侶である望月有道老師は「非常に真面目。ある意味、日本人より日本人らしいところがある。外国人の修行僧も増えていることもあり、熊醒さんのような指導監督する立場に外国籍の人がいることが必要になってきたかなと思う」と話す。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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