愛媛県の地盤調査会社が、四国3県で住宅やアパートを建てる前に実施した地盤調査33件のデータを偽造していたことがわかった。会社は「若手社員が楽をしようとした」と偽造を認めた。建物の施主に偽造を明かすかは建築を担う工務店に任せているといい、いまだ把握していない施主も複数いるとみられる。
地盤調査会社はハイスピードコーポレーション(松山市、堀田誠社長)。同社によると、昨年9月~今年4月に当時の男性社員(20)が担当した調査でデータ偽造が判明した。内訳は愛媛県24件、高知県8件、香川県1件。
住宅の地盤調査は一般的に建築予定地の四隅と中心の計5地点で実施する。専用機械を使い、鉄の棒を深さ10メートルほどまで突き刺す。棒の先端のスクリューを回すなどして地盤の固さや安定度を確認し、地盤改良が必要かどうか判断する。
同社によると、社員は多くの現場で一部の調査を省き、同じ現場の別の地点や近くの現場のデータに似せた数字を報告書に記していた。まったく調査せず報告していた例も3件あった。
経過知らぬままの施主も
記事後半では、偽造を施主に知らせていない工務店の話や業界全体に広がる不正防止システムの話を紹介しています。
今年4月に同僚が報告書に不…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル