地質スケールでみる能登半島地震 日本海の誕生からつながる変動

 強い揺れと津波、4メートルに及ぶ隆起をもたらしたマグニチュード(M)7・6の能登半島地震。発生前、地下で何があったのか。日本列島と日本海の成立から東日本大震災までかかわる大変動が背景にあるという。

 地質のタイムスケールでみれば、2011年の東日本大震災は最近の出来事だ。M9の巨大地震の影響が能登半島地震にも及んだ可能性を、京都大防災研究所の深畑幸俊教授は指摘する。

 巨大地震の発生前、本州は主に東西方向に押されて縮んでいた。縮むスピードが速い新潟から神戸にかけては「ひずみ集中帯」と呼ばれ、地震が起こりやすいとされた。

 能登半島はひずみ集中帯からは外れているが、やはり北西―南東方向に押されて縮んでいた。

 ところが、東日本大震災時、宮城県牡鹿(おしか)半島周辺で最大5メートル以上も東向きに地殻がのび、1メートル以上沈降した。地殻変動はその後も続く。

 地球表面の硬い層の下には、長い時間をかけて流動する層がある。その層は、硬い層が動いた後に流動的となって表層の動きに逆らわなくなる。こうした影響で、本州が東西に縮む速さは鈍化、能登半島を押す力も小さくなった。

水はどこからきたのか

 ならば地震は起こりにくくなりそうなものだが、地下の現象は複雑だ。

 「ふだんは、ぎゅうぎゅうに押されて、能登半島の地下深いところから上がってこられなかった水が、押される力がゆるんで上がってこられるようになったのではないか」と深畑さんは推定する。水があると岩盤が弱くなり、地震は起こりやすくなる。

 水はどこからきたのか。東京…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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