見渡す限り、山ばかり。新商品が発売されても、売っている店が近くにない。退屈な毎日……。
石川県珠洲市の緑丘中学校3年の山元浩花さん(15)は将来の夢に向けて受験勉強をしていたが、これまで故郷で働きたいと思ったことはなかった。
でも、地震が起きて考えが一変した。第1志望の高校に合格し、12日、卒業式を迎える。
元日の夕。山元さんが自宅で社会科の参考書を開いていると、激しい揺れに襲われた。勉強机の下に潜り、悲鳴を上げながら収まるのを待った。
自宅は近くの港から2キロほど。テレビで津波警報が出たので、近所の人の車で急いで内陸に逃げた。初詣に出かけていた父の車と合流して車中泊し、翌日自宅に戻った。
倒壊を免れた自宅で、物が散乱した部屋を片付けていると、すぐに時間が過ぎる。「いまごろみんな机に向かってるのかな」。焦ってきた。
集団避難を選ばなかったわけ
勉強は1月5日から再開。停…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル