奥能登では世代を超えて親から子へと受け継がれてきた「家業」がたくさんある。輪島塗、海産物を包むパックなどを扱う包装資材、漁業……。能登半島地震の後、そんな営みを途絶えさせまいと立ち上がったのは、若者たちだった。
創業200年を超える老舗の輪島塗メーカー「田谷漆器店」の田谷昂大さん(32)は地震翌日の1月2日、父から代表の座を継いだ。
地震で工場は倒壊し、職人の道具や材料を失った。輪島朝市に建設中だった新ギャラリーも大規模火災で焼け落ちた。そんな状況のなか、「店の復興に向けて自分でかじ取りをしたい」と父に申し出た。
8年前にUターンで地元に戻り、伝統工芸の新しい販路を見つけるために奔走してきた。完成間近だったギャラリーでは一般客に漆器を使ってもらい、魅力を体感してもらおうと考えていた。
「輪島塗は日本のものづくりの縮図。残さなきゃいけない産業なんです」。ギャラリーの構想を引き継ぎ、体験や購入、修繕ができる輪島塗の複合施設を、復興した輪島に造りたいと思っている。
三辻洸二郎さん(31)は昨…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル