今年5月、震度6強の地震があった石川県珠洲市で「奥能登国際芸術祭」が開かれている。能登半島の先端に位置する「さいはて」の地に、計61作品が展示されている。日本海沿いの岩場にはキラキラと輝く鳥居形の作品が設置され、来場者の目を引いている。
作品は、アゼルバイジャンの作家、ファイグ・アフメッド氏が制作した「自身への扉」。全面に貼られたスパンコールが、風に揺れると光を反射し輝いて見える。深夜に30秒間露光し、ストロボを強く当てて撮影すると、輝く鳥居が夜空に浮かび上がった。
実行委員会は地震からの復興を優先させるため、開幕を3週間遅らせた。会場予定地の一部で壁のはがれや液状化などが起こり、別の場所に変更した。会場が使えなくなり、出展をあきらめた団体もあったが、開催にこぎ着けた。
同市内では今月5日現在、全壊40棟など3153棟の住宅被害が確認された。今も壊れた屋根や壁にブルーシートを掛けた建物や、外壁に貼られたままの「危険」「要注意」の紙が目に付く。
珠洲市の泉谷満寿裕市長は開幕式で、「震災からの復興への光にしたい」と呼びかけた。会期は11月12日まで。(林敏行)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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