山本知弘
三重県桑名市の多度大社で例年5月にある県無形民俗文化財「上げ馬神事」について、県は19日、動物愛護管理法に基づき、馬の取り扱いを改善し、坂や壁の構造を改めるよう主催者側を指導した。主催者側も改善に向けて具体的な検討を進めるとしている。
神事は、人を乗せた馬が坂を駆け上り、高さ2メートルの壁を越えられたかどうかで農作物の豊凶を占う。骨折した馬を殺処分することもあり「動物虐待でないか」とSNSなどで指摘されていた。
県や市、上げ馬を奉納する地区などでつくる「上げ馬神事事故防止対策協議会」の会合で改善を求めた。担当する県食品安全課によると、馬をロープでたたくといった行為をやめるよう求めた。坂や壁の構造に多数の意見が寄せられているとして見直しを提案したという。
県によると、直近約15年で神事に参加した馬のうち今年の1頭を含む4頭が骨折するなどして殺処分になっており、一見勝之知事も「頻度が多い」として、改善を求める考えを示していた。
多度大社の担当者は取材に対し「上げ馬の奉納団体とも協議を重ね、改善の方向で進めていきたい」としている。改善策をまとめ、来年の神事に間に合わせたいという。(山本知弘)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment