【神奈川】横浜市磯子区の坂本堤(つつみ)弁護士(当時33)宅にオウム真理教幹部が押し入り、一家3人が殺害された事件から4日で34年。墓のある鎌倉市の円覚寺松嶺院で3日、法要が営まれ、同僚だった弁護士や母校の横須賀高校の同級生ら約40人が冥福を祈った。
坂本弁護士と妻都子(さとこ)さん(同29)、長男龍彦ちゃん(同1)の墓に色とりどりの花が供えられた。
横浜法律事務所で先輩だった小島周一弁護士(67)は、事務所の新人弁護士を必ず法要に連れて来ている。「彼はピュアで使命に燃えていた。そんな志や活動は時を超えて受け継がなければいけない。坂本はスローバラード系が得意だった」。一緒に酒を飲みながらカラオケでサザンを歌った日常を懐かしんだ。
事件当時、坂本さんは教団の未成年の出家信徒の親たちから相談を受け、教団と交渉するなどの活動を続けていた。小島さんは「許されない違法行為に対して、まっとうに取り組み追及していた。だからこそ教団にとって脅威だった」と振り返る。
「弁護士が『やばい事件はできません』と断るようになれば、市民が危険や権利侵害に対して裸で対峙(たいじ)しないといけない。弁護士仲間が違法に攻撃されるようなことはあってはいけない」と訴えた。(阿部育子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル