執行前日「姉さん、もう泣かんで」 拘置所長が録音した死刑囚の肉声

【動画】2日前の告知 大阪拘置所長だった、故・玉井策郎さんのテープより

 1955(昭和30)年2月。ある女性が、三重県から大阪市を訪れた。案内された部屋で待っていたのは、自分の弟。2日後に死刑を執行されることが決まった死刑囚だった。

 「今日と明日と、2日間の面会だから。あれも言い忘れた、これも言うときゃ良かったということがないようにね」

 職員からそう促され、姉は近況を語り始めた。

 主な話題は、本人から託され、養っていた子どものことだった。

 「今年、新制中学校を卒業するんだよ」

 「就職も難しかろうと思うから、うちの仕事を相談しているんだよ」

日本では死刑の執行を当日、本人に告げています。しかし、事前に告げていた時期もありました。2日前に告知され、執行されるまでの死刑囚の肉声が入ったテープを通じ、死刑について考えます。記事の後半には、実際の執行と思われる音声もあります。視聴の際にはご注意ください。

 姉は翌日も面会した。子どものころの思い出、年老いた母への思い――。身の上話を続けたが、同席していた職員に遮られた。

「今になって思う」 執行当日、死刑囚が残した言葉

 死刑囚「それじゃ、姉さん…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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