寺本大蔵
沖縄県金武町(きんちょう)で、井戸から発がん性が疑われる有機フッ素化合物の「PFOS(ピーフォス)」などが高濃度で検出され、昨年6月から水道水への利用を一部停止していることが町への取材でわかった。町内の井戸9地点のうち3地点で国の目安を上回り、最大で8倍超だった。
PFOSなどの含有量について国が設ける地下水などの水質管理の目安(暫定目標値)は、1リットルあたり50ナノグラム以下。町は昨年6月、水道水に使う地下水の水源となる井戸9地点を調査。米海兵隊キャンプ・ハンセンから70メートルの地点で、目安の8・2倍にあたる410ナノグラムが検出された。米軍との関連は不明という。町は全ての水道水を、県が管理するダム水に切り替えることを検討している。
井戸とは別に、河川や排水路の15地点を昨年8月から今年1月にかけて町が調べたところ、4地点で目安を超えた。最大で目安の3・3倍の165ナノグラムだった。町は、検出された排水路では、基地のある上流ほど濃度が高いとして、キャンプ・ハンセンから流れ出した可能性があるとみている。
沖縄県内では米軍嘉手納基地周辺の河川などから高濃度でPFOSなどが検出され、国や県が米軍への立ち入り調査を求めたが拒まれ、原因特定に至っていない。(寺本大蔵)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル