新型コロナウイルスの感染拡大長期化に備え、埼玉県は、医療機関で使用するマスクなどの物資を3カ月分備蓄するとともに、PCR検査能力の拡充などを図る医療提供体制整備計画をまとめた。感染状況が急激に悪化した場合もスムーズに対応できるよう体制の構築を急ぐ。 埼玉県内での直近1週間(19~25日)の新規感染判明者数は347人で、前週から23人増えた。5月中旬から6月中旬にかけては1日当たり1桁の日が続いていたが、8月に入ってからは50人以上の日が半数を超えている。大野元裕知事は26日の記者会見で「新規陽性者数は高止まりしていて憂慮すべき状況だ」と重ねて懸念を表明した。 感染状況のさらなる悪化も想定し、県は医療用のマスクとガウン、フェースシールドを3カ月分確保することを決めた。県の専門家会議で、安心できる備蓄量の目安として「3カ月分」という意見が示されたことを踏まえた。 保管場所がなく1週間分程度の備蓄しかできない病院もあるといい、環境が不十分な場合は県が代わりに物資を保管する。 PCR検査に関しては、検査を行うことが可能な医療機関の数を現状の約230からさらに上積みする方針だ。感染状況の悪化傾向が加速した場合も需要を満たすことができるよう体制の確立を目指す。 また、8月末までと決めていたスポーツイベントなどの開催制限を9月以降も継続し、イベントを開催する場合は国や県の接触確認アプリを導入するよう主催者側に求める。(中村智隆)
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