埼玉県幸手市の藤沼貢市議(80)=自民=が本会議場で市建設経済部長に暴力を振るった疑いがあることが5日、明らかになった。市は、部長は藤沼氏にたたかれ首にけがをし、幸手署に被害届を出したと説明。一方、藤沼氏は「マッサージのようなつもりで首の後ろをつまんだ」と話している。
同市の長田広・総務部長によると、建設経済部長がけがを負ったのは1日午前。本会議の休憩に入った直後、藤沼氏が、この部長に近づき言葉を交わした後、うなり声を上げて部長の首付近を手でたたいたという。
藤沼氏をめぐっては今年6月ごろから、同氏所有の農地にある建物について、農地法に基づく手続きがされていないとして議会で問題視されていた。
けがをした部長は、市農業委員会の事務局を担当。藤沼氏はこの部長を頻繁に訪ね、農地法違反ではないと主張し、11月ごろには「100万円払えば人を殺すやつがいるのを知っているか」と発言したという。
長田総務部長によると、建設経済部長は藤沼氏にたたかれる直前、農地の問題に話が及びそうになり「もうやめましょう」と伝えた。
部長は首の痛みを訴え、1日夕に幸手署に被害を申告。翌2日に医療機関を受診し、全治3週間の首のねんざと診断されたという。
一方、藤沼氏は取材に「暴力を振るった感覚はないが、人様の体に触れればこういうことになると反省している」と話した。部長への発言については「覚えがない」としている。
農地の問題は、4日の一般質問で大平泰二市議(共産)が、農地法に基づく宅地への転用手続きがされているかどうか質問した。市側は、手続きはされていないが「違法とは認識していない」と答えた。
藤沼氏は、この土地は亡くなった父から相続し、建物は相続前からあったとしている。同氏は1999年に初当選し、現在7期目。議長経験もある。今月3日まで市議会の会派「自由民主党」の代表だった。(佐藤純)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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