埼玉県最大の二子山古墳で「墓荒らし」か 2カ所で大きな穴を発見

川野由起

 埼玉県は27日、国特別史跡・埼玉(さきたま)古墳群(行田市埼玉)の二子山古墳で、人が掘ったとみられる掘削被害が2カ所見つかったと発表した。県立さきたま史跡の博物館(同市)の学芸員が26日に発見し、行田署に通報し、文化庁に報告した。

 県文化資源課によると、二子山古墳は6世紀前半にできた県内最大の古墳。前方後円墳で、後円(高さ11・7メートル)の墳頂の中央部に直径約90センチ、深さ約250センチの円形の穴が、東側に縦約120センチ、横約60センチ、深さ約190センチの長方形の穴がそれぞれ見つかった。いつ、どのようにして掘られたかは不明だという。

 古墳は高さ約1・2メートルの生け垣で囲まれており、関係者以外は立ち入りができない。古墳の墳丘の状況は年に1回程度、博物館の学芸員が確認している。最後の確認は昨年3月4日で、異常はなかった。被害はその後の発生とみられる。県は文化庁と協議したうえで、穴を復旧する考えだ。

 古墳のあるさきたま古墳公園は、24時間誰でも立ち入りができる。日中は警備員が定期的に巡回するが、夜間は博物館にいる。特別史跡のき損は文化財保護法違反にあたる。罰則は5年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金と重い。(川野由起)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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