日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(66)が約91億円の役員報酬を有価証券報告書に記載しなかったとされる事件で、共犯として金融商品取引法違反の罪に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(64)の初公判が15日、東京地裁(下津健司裁判長)であった。ケリー元役員は起訴内容を否認し、無罪を主張。検察側と全面対決する構図となった。
元会長が海外逃亡する中、一連の事件で裁判が開かれるのは初めて。企業統治や情報開示が重視される傾向が強まる中、「役員報酬」の開示義務違反が問われる初の裁判でもある。
ケリー被告「ゴーン氏は報酬を減らした」
起訴状などによると、ゴーン元会長、ケリー元役員は大沼敏明・元秘書室長らと共謀。2010~17年度の元会長の報酬は計約170億円だったのに、うち約91億円を退任後に後払いする「未払い報酬」にして開示しなかったとされる。
主な争点は①未払い報酬が存在したか②ケリー元役員と元会長、大沼氏の間で共謀があったかどうかだ。
検察側は冒頭陳述で「報酬隠し…
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル