境内で学ぶ原発事故の教訓 住職が私費で「伝言館」開設

 福島県楢葉町大谷の宝鏡寺境内に11日、原発事故の教訓を伝える施設「伝言館」が開館した。在野の目線で事故の被害や教訓を伝えるのが特徴。式典に集まった130人が「原子力被害をもう出さない」と誓い合った。

 同館は木造2層建て。長年、原発反対運動に取り組んできた「館長」の早川篤雄住職が賠償金など私費を投じて建設した。1階には「エネルギー・アレルギー」と原発推進を謳(うた)う旧科学技術庁のポスターや除染の写真、汚染水や震災関連死についての説明パネルなど約100点を展示する。

 地階では広島、長崎の原爆被害に関する資料、米国の水爆実験で被曝(ひばく)した第五福竜丸に降った「死の灰」などを展示。同館脇には約30年間、東京の上野東照宮境内で灯(とも)されてきた「非核の火」も移した。

 早川さんは「データの捏造(ねつぞう)や改ざん、事故隠しを続けてきた。起きて当たり前の事故だった」と強調。ともに活動してきた立命館大学の安斎育郎名誉教授も京都から駆け付け「ホームページを作り、世界にも発信したい」。広島、長崎両市長もメッセージを寄せた。入館料は100円(大学生以下無料)。(関根慎一)

福島のいま、これから 20日にオンライン記者サロン

 世界最悪レベルの東京電力福島第一原発事故から10年。被災地はこれまで、どう復興を進めてきたのでしょうか。福島の地元のテレビ局、KFB福島放送と共同でオンライン記者サロン「震災10年 福島のいま、これから」を3月20日午後3時から配信します。

 福島には人や産業が少しずつ戻り、25日には東京五輪の聖火リレーが地元の大型サッカー施設「Jヴィレッジ」からスタートします。一方でいまも避難指示が続き、時間が止まったような場所もあります。

 光と影がないまぜの福島。第一原発の内部はどうなっているの? 暮らしや食は? そんな疑問に地元の記者やアナウンサーが答え、課題を考えます。記事やニュースで伝えきれなかった思いも語ります。

 参加無料。募集ページ(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11003841)から事前にお申し込みください。参加者からの質問にも答えます。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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