墜落した飛行船か、山に乗り上げたトラックか-。その大きさと造形の不思議さは想像を超えている。佐賀市大和町の「巨石パーク」には、そんな巨大自然石が17基も点在している。徐福伝説を秘めた近くの金立山(きんりゅうざん)(標高501・7メートル)と合わせ、初夏の登山旅行にお薦めだ。
巨石パークは川上峡に面した下田山の山域全体に広がる。パークとはいっても、急な登りや岩場、沢渡りもある立派な登山だ。標高200~350メートルに散らばった巨石を全て巡るルートは約5キロ、片道1時間半かかる。
上部がとがった烏帽子(えぼし)石、神様の船と言われる御舟石、頭をもたげたカエルのような蛙(かえる)石。どれも長さが7~10メートルはあり、古代から石神様と呼ばれて信仰の対象になってきた。登山道を歩くとそんな不思議な自然の奇岩が次々に現れ、飽きない。まるで大自然のテーマパークだ。
巨石パークから東へ3キロ。秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて日本に渡ったとされる徐福ゆかりの金立山がそそり立つ。
徐福は古代中国で占いや錬金術を行った方士だった。史記によると「大船団を率いて東の海のかなたを目指し、平原広沢の地にたどり着いた」とあり、日本に上陸したことはほぼ間違いない。上陸伝説は全国にあるが、出港した浙江省と地理的に近い佐賀は、その最有力地だ。
金立山には徐福を神として祭る金立神社が立つ。麓には豊富な資料を展示する徐福長寿館、中腹には美しい吹上観音磨崖仏もあり、見どころ豊富だ。 (三村龍一)
来月、縦走ツアーを実施 参加者を募集
西日本新聞旅行は、季刊のぼろスタッフと歩く「金立山登山と巨石パーク~金敷城山縦走ツアー」の参加者を募集している。5月24日(日)、25日(月)の1泊2日。初日は金立山登山、2日目は巨石パークから金敷城山を縦走した後、徐福伝説の史跡を巡る。ガイド歴10年のスタッフが案内し登山講座も行う。1人1万9800円から。4月16日(木)午後1時から、西日本新聞会館10階で初心者向け無料登山講座とツアー説明会がある。問い合わせ・申し込みは西日本新聞旅行=092(711)5518。平日午前10時~午後5時45分受け付け。
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