変わる中東の地政学リスク、日本経済に大打撃も 石油国家備蓄、機動的放出の準備を(47NEWS)

 原油価格(米WTI原油先物価格)は9月14日のサウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃で1バレル=63ドル台まで急騰したが、世界経済減速の懸念などからその後下げ基調に戻り、その後2か月ぶりの安値で推移している(1バレル=50ドル台前半)。世界の原油市場は「サウジアラビアへの攻撃」という材料を消化したかに見えるが、中東地域で再び同様の事案が発生するリスクは依然として残っている。

▽イエメン巡る国際紛争が地政学リスクのトップに

 今回の攻撃で日量570万バレルの原油生産量が失われた(世界の原油供給量の6%)。これはイラン革命に端を発する第2次石油危機(失われた原油生産量は日量560万バレル、世界の原油供給量の9%)を上回る過去最大の規模だった。

 第2次石油危機勃発の際には、原油価格は3倍(1バレル=40ドル台)となった。今回の攻撃でも「被害が長期化していたら、原油価格は3倍(1バレル=150ドル近く)まで高騰していた」との分析がある。

 サウジアラビアへのドローン攻撃にはイランが関与したとされている。しかし、イエメンのシーア派反武装組織フーシ(以下フーシ)が今年5月以来サウジアラビアに対し累次にわたりドローン攻撃を仕掛けていたことから、筆者は「フーシが主要な役割を果たした」と考えている。これが正しいとすれば、中東地域の地政学リスクのトップに「ホルムズ海峡の封鎖」に代わり「イエメンを巡る国際紛争」が躍り出たことになる。

 フーシはその後「サウジアラビアが主導するアラブ連合軍のイエメンに対する空爆が完全停止されなければ、サウジアラビアとUAE領内への攻撃が再開されるだろう」と警告を発し続けている。サウジアラビア側が態度を改めなければ、次の攻撃が勃発するのは時間の問題である。攻撃目標もアラビア半島全体(世界の原油供給量の2割弱)に広がってしまうのではないだろうか。

▽シェールオイルブームに異変

 10月に入ってもイランのタンカーが何者かに攻撃されるなど、中東地域を巡る地政学リスクは高まるばかりだが、市場が冷静さを保っていられるのはシェールオイルのおかげであると言っても過言ではない。


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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