2年前の3月、岡山市の駐車場。県内の多くの中学で卒業式があった日の午後のこと。
「何しにきたんや!」「なんやなんや!」。集まっていた赤や紫、黄色の学生服姿の中学生が記者(26)に気付き、あっという間に囲まれた。県警がこの年から「周囲に暴力的なイメージを与え不安や恐怖感をもたらす」としてこういった服でたむろする少年を補導する方針を決め、取材に行った先。ドラマや漫画で見てきた「不良」が脳裏をよぎる。もしかしてボコボコにされるのでは。
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学生服の背や胸に刺繡(ししゅう)があった。《卒業 最愛のダチに送ります》《育ててくれてありがとう》。親や教師への感謝の言葉の数々。ん? おそるおそる話を聞いた子は皆、「服を借りるお金は母から借りました。働いて返します」「友達と好きな格好で写真を撮りたくて」と礼儀正しい。彼らは私が思った「不良」とは全然違った。
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標準型から形を崩した「変形」制服が過去にあったことは知っていた。が、大阪で過ごした学生時代に見たことはない。ここは学生服の生産シェア日本一を誇る岡山。変形文化は独自の進化を遂げ、今も残っているのかもしれない――。
「ヤンキー界の重鎮」に聞く変形の変遷。そして、当時の学生服を前に思い出をしみじみ語る大人たち。最後には不思議な気持ちになります。
まずは変形の歴史をおさらい。…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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