女性記者が行商や仲居に変装し、有名人宅や料亭、カフェーに潜入して、ルポをする――。「化け込み」と呼ばれた企画が、かつて新聞でブームになりました。
歴史に埋もれた職業や型破りな女性たちを追いかけてきた文筆家の平山亜佐子さんは、化け込みを担った女性記者たちの仕事や人生について調査。彼女たちの突破力とともに、いまと地続きのジェンダーギャップも浮かび上がってきたそうです。
カフェーや遊郭へ
――「化け込み」という名前からして印象的です。今で言う潜入ルポみたいなものでしょうか。
はい。同じ潜入ルポでも、男性記者は都市下層の生活をリポートする、いわゆるスラムルポが中心だったのに対し、女性記者たちが潜入した先はカフェーや遊郭などのサービス業や上流家庭でした。
スラムルポは社会に訴えかける使命感が前面に出ているのに対し、女性記者の「化け込み」は、取材相手の苦境に同情しつつも、のぞき見的で、エンタメ要素が強い企画でした。
――なぜ、男女で差が?…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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