夏はホタル、冬はイルミネーション 穏やかに時が流れる東京・久我山

 井の頭公園から23区東部へ向かって流れる神田川沿いは、私が好んで走るジョギングコースだ。気になりながらも、走って通り過ぎるばかりで、ゆっくり歩いたことがないところがたくさんある。その一つが久我山だった。

色とりどり、遊び心にじむ電車

 久我山の地形はすり鉢状になっており、京王井の頭線久我山駅は、神田川そばの低い位置にある。川沿いの歩道を東に向かうと、フェンス越しにたくさんの電車が止まっているのが見える。京王電鉄の「富士見ケ丘検車区」。検車区とは、定期的な車両の点検や整備を行う場所だ。

 京王電鉄によると、井の頭線は1編成5両で運行しており、全部で29編成145両の車両がある。屋根や車体のラインの色が編成ごとに異なっていて全7色。色の異なる車両が複数台並んでいるのを見ると、ちょっと特別な場所にいるような感覚になる。

 29編成の車両のうち、1編成だけ「レインボーカラー」があったり、一部車両の内装にハートやかたつむりが隠れていたり、思わずうれしくなるような遊び心がにじんでいる。検車区の藤井佳晃区長は「ご乗車の際には、ぜひ探してみて下さい」。

「緑が多い、優しい人が多い」

 駅に戻って、今度は南方向へと歩を進める。緩やかな坂から始まる「南銀座商店街」は、街灯や通りの雰囲気がどこか懐かしさをまとう一方で、最近開いたと思われる店もちらほら。その中で、スリランカの国旗を掲げる店を見つけた。

 今年4月に開店したというカ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment