新型コロナウイルスの水際対策について、岸田文雄首相が緩和の方向での検討に言及した。介護の現場では長引く入国制限によって、働き手の外国人が来日できない状態が続いている。各地の施設は人手不足に悩み、オミクロン株の感染対策もあって負担が増している。介護現場からは、入国制限の緩和を求める声が上がる。(玉置太郎)
関西に介護施設を展開する社会福祉法人・晋栄福祉会(大阪府)は、介護職員約1千人のうち約120人が外国人だ。2008年以降、インドネシアやフィリピンなどから受け入れてきた。
しかし、政府は20年春から新型コロナの水際対策で、一時期を除いて外国人の入国を原則停止。他国と比べて厳しい水準を維持する。この法人でも、特定技能の資格で来日するはずだったフィリピン人ら約30人が入国できず、2年近く待つ人もいる。
人材派遣業者に依頼して人手をやりくりしてきたが、日本人の求職者は少なく、辞めていく人も多い。他県の介護系短大から、卒業する留学生をあっせんしてもらったが、留学生の来日も止まり、「この先は厳しい」と言われた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル